国語は・・・
  • 家庭・学校・社会で絶え間なくその言葉に触れることによって、習得されます。
  • 基本文型や語彙は、乳幼児期から学齢期にかけて自然と習得されます。
  • 場面に応じた言語の使用は、家庭や社会での経験を経て習得されます。
  • 読み書き・読解・成人としての言語力は学校で数年かけて習得されます。
外国語は・・・
  • 年齢にかかわらず、ゼロからの習得です。
  • 発音・文法・語彙・文化までを、系統的に教室で学習します。
  • その言語が話されている環境にいかない限り、自然に習得されることはありません。
継承語は、国語とも外国語とも異なります。
日本に住んで日本語で教育を受ける子どもたちのための教材や学習法は、そのままでは残念ながら継承日本語学習者のニーズに合いません。
外国語としての日本語を学ぶ教材も同様で、継承日本語学習者には不向きな点がいくつかあります。
継承語は家庭での使用が中心であるため、聞く力・話す力は発達しても、認知力を必要とする読む力・書く力の発達は遅れがちです。
幼児期に家で家族と日本語を話していれば十分だと、そのまま読み書きを学ばないでいると、年齢が上がるにつれて年齢相応の語彙や表現力が不足してきて、日本語を話すことも億劫になることがあります。
一方親の世代には、自分が国語として日本語を身につけた経験があるため、継承日本語を学ぶ子どもたちの持つ困難さや躓きの原因を、直感的に理解できないことが多々あります。
各家庭での継承語の使用状況もさまざまであることから、同じ教室に集う同年齢の子どもたちの間でも、日本語力と日本文化への理解度には非常に大きな差があることが一般的です。
ツーク日本語学校では、家庭ではあまり触れることのないテーマや多様な活動を通して、読む力・聞く力・話す力・書く力のどれをも大切にし、一人ひとりのことばを育てていきます。

HSK(Heimatliche Sprache und Kultur)とは、外国にルーツを持つ子どもたちが、そのルーツにつながる言語を学び、スイスでの学校生活や日常生活に活かすことを目的として、スイス政府が定めた支援制度です。
州により認可されたHSK校からの評価は、現地校の成績表に2年生から記載されます。
各州により規定は異なりますが、教室や机・椅子・黒板・コピー機等の設備の無償使用や教員研修等の支援が受けられます。
スイスには継承日本語のHSK校が数校存在し、勉強会などを通じてお互いに協力し合っています。
どの学校も学校独自のカリキュラムで運営されており、それぞれに特色があります。